ニシ

若き日のリンカンのニシのレビュー・感想・評価

若き日のリンカン(1939年製作の映画)
5.0
自分の存在意義、自分の甘さ諸々毎日全てを投げ出したい悪魔の誘惑に駆られるが、フォードの人生の豊穣さを見るとこんな自分でも夢を見ていいのかなとホッとする。ありがとう。



2022/08/10 シネマヴェーラ渋谷

ビラか何かに書かれてあった、冒頭の本を読んでるフォンダが立ち上がり女性の荷物を前で抱え本をわきに挟み歩くそして柵に拒まれ分かれるシーンもよい。だが、フォンダが令嬢とひどいダンスを踊るよくあるコメディー的な流れから、2人が窓を開けてカメラがそれを迎える空気の変化、令嬢は手前に張り扇みたいなのを添えるようにしてフォンダは真っすぐ前を見つめる。前半と対称的な後半、こちらの方が大好きだ。

真犯人が明るみになり、裁判所内で陪審員たちが四角いフレームを作る。犯人がそのフレームから逃れようとするが、フォンダの饒舌さに映画が賛同しているかのように、カメラワークと人物配置が巧みに犯人を追い詰める、素晴らしく映画の持つ映像のアクションに興奮したありがとう。
ニシ

ニシ