kuu

ゲームのkuuのレビュー・感想・評価

ゲーム(1997年製作の映画)
3.9
『ゲーム』
原題 The Game.
製作年 1997年。上映時間 128分。

『セブン』に続いてデビッド・フィンチャー監督が放ったサスペンス・スリラー。
不条理な恐怖と謎の連続が観る者を不安へ陥れる。

実業家ニコラスは48歳の誕生日に、弟のコンラッドからCRS社主催の“ゲーム”の招待状をプレゼントされる。
最初は馬鹿にしていたニコラスだが、
『人生が一変するような素晴らしい体験ができる』
ちゅう謳い文句にひかれてゲームに参加することにする。
やがて、ブリーフケースの鍵の紛失、スキャンダルの発覚、CRS社のオフィスの消滅と、奇妙な出来事がニコラスの周りで次々に起こり始める。
トラブルは次第に加速していき、遂には生命の危機にさらされることになる。。。

今作品は、Netflixに少し前から配信されてたし気になってたし、視聴しました。
正直、嬉しい驚きでした。
なぜなら、個人的にマイケル・ダグラスの傑作の一つって云える作品に出逢えたからです。
今作品は、レベルの高い映画的言語を持ってるように感じました。ストーリーは巧みで、監督によって最も善き方法で扱われてました。
最初は普通のアクション映画のように感じましたが、金持ちのコンラッド・ヴァン・オートンが、最も独創的な方法で彼の全財産を奪った悪党を追いかけるちゅう展開で。
これでも、善き映画にはなったやろうけど、それやったらありきたりな映画になってたんちゃうかなぁと。
せや、このストーリーにはもっと別のトリックを用意されてた。
これ以上の詳細には触れるのは
プロットのネタバレに抵触しますし、割愛しますが、しかし、出来事のシークエンスが最も予想外で最も美しいものに展開されたことは述べておきます。
今作品では、最後に登場する悪者が全く居いひんよう変わり、このこと自体が、ほとんどの(ほとんどすべての)アクション映画に満ちている本物の暴力と血で心が汚染されることがなく、純粋な美しさであった。
マイケル・ダグラス好きなら、今作品は恐らく嵌まるんじゃないかな。
また、デビッド・フィンチャー監督は、『セブン』で胸の奥をわし掴みされてから好みの監督です。
なんで観なかったんやろ今まで。
兎に角、今作品は、素晴らしい映画的表現と、テンポの良いアクション、予想外の出来事、そして、ラスト以外、『セブン』との共通点は何もありません。
あの『セブン』終わり方は、この映画に最もふさわしいもので、これ以外の終わり方だと、物語の背後にある考え方が変わってしまい、もはや『ゲーム』ではなくなってしまうんちゃうかなぁ。
善き作品でした。
kuu

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