もめん豆腐

ボウリング・フォー・コロンバインのもめん豆腐のレビュー・感想・評価

4.5
マイケルムーア監督の作品は今回がお初。
これまでマイケルムーア監督ってちょっと色物だと思ってた自分を大いに恥じた。ごめんなさい、マイケル。これからは応援するよ。
監督の考え方はとてもシンプル、かつ、数字を交えて論理的。対してチャールトンヘストン(以下ヘストン)は感情的で非論理的。監督と話しながらヘストンの顔は段々「あ、こいつの言ってることの方が正しい。言い負かされる」と感じてるのが観てるこちらにも肌で感じられた。だけどヘストンは自分が絶対的正義だと信じたいし、もう曲げられないところにも来てしまっている。さらに、これまでの自分の言動を謝る柔らかさも失った、完全無欠の老害に成り果てている。被害家族に哀悼の意を表するどころか煽りに行く始末だから、ねじ曲がってしまったんだろうね、可哀想に。ヘストンの冒頭の語りにあった白人がアメリカを作り上げたかのような思い上がりも、観ていて反吐が出た。ネイティブアメリカンの想いなんて、この老害には届くことはなかったんだろう。他人の痛みに鈍感ってすごいね(嫌味)。
カナダとの比較はかなり攻めた内容だったし、カナダの教育と文化の高さはとても勉強になった。カナダについて無知だったこともあり、大変興味深く拝見した。銃保持率は高いのに、なぜ米国と比べて銃による犯罪が圧倒的に少ないのか、観終わった今もわからない。ただ、歴史や人種ではないことはわかる。
話は変わって自分語り。かつて海外の射撃場で小型の銃を10発撃ったことがある。その結果は現地スタッフさんからローマ字で「UMAI」と書かれたほど、ほぼ◎の中心に当たっていた。小さい頃からダーティーハリーが大好きで、いつか射撃をしてみたい!と願っていたけど、実際に撃ってみて二度と銃は持つまいと心に決めた。実際の重さもかなり重いけど、命の重さに比べたら軽いと思った。あんな小さな物で命を奪えるなんて恐ろしいと、持ってみて初めて感じたあの感情は大切にしていたい。
もめん豆腐

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