おけい

血と怒りの河のおけいのレビュー・感想・評価

血と怒りの河(1968年製作の映画)
4.0
怪優テレンススタンプの若き日の主演異色西部劇。だいぶ前にBSハイビジョンで録画、DVD📀にした宝物。

邦題がイマイチだけど『BLUE』って原題がなんか好き。メキシコ人達の中で異色を放つ存在の主人公の愛称アズール(スペイン語でブルーのこと)が原題である。後半はブルーと呼ばれる。

原題が示す通り、テレンススタンプのブルーの瞳に彼のクールな存在感が作品を支配している印象が強い。それは冒頭の初登場シーンで帽子の下から上目使いに視線を流すブルーの瞳を見た時から理解する。

盗賊の息子として育てられ暴力が染みついているブルーは仲間達と襲った村のアメリカ人親子に命を救われ徐々に変わろうとするのだが…盗賊は勿論それを許さない。

ブルーは皮肉にも盗賊の義父に見込まれていたとおり、その土地の農民達を携えリーダーシップを発揮することになる。ラストの河を挟んだ国境での戦いは、戦い方を知らない弱者でもリーダーと戦略次第では勝ちうるのだという教訓に。

これだけ観てる人が少ないということは隠れた傑作になるのかもしれない。
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