「君を見ていれば耐えられる」
恋以外の何ものでもないですね。
そしてロルナが笑ったのも、この時だけでした。
クローディにとってロルナは、はじめは縋るだけの相手だったのかもしれない。だけど、クローディに対し冷たくしきれないロルナの優しさが、彼の心にしみたのでしょう。
金には汚くなく、女性の存在を尊重するクローディ。欲望のために突っ走るロルナやソコルとは違うクローディの無垢さに、彼女が魅かれたのは何らおかしなことではないはずです。
先進国である日本は世界から見れば、裕福な環境です。先進国で暮らす自分が、ロルナやソコルの行為を簡単に責めることはできません。(ブローカーは如何かと思いますが…。)
設定は多少変えたそうですが、このストーリーが実話から着想を得たことを忘れてはならないと思うのです。
殿方には理解がしがたいようですが、自分にはロルナの気持ちが分かる気がしました。
ロルナはクローディと自分との結晶が欲しかったのでしょう。それを想うことで、実際にラストのロルナは強かった!更に彼女が強くなったとき、いつか現実を認められるのではないでしょうか。
ダルデンヌ兄弟作品は、なぜにこうも胸を打つのでしょうか。
エンディングのピアノソナタに希望を感じるとともに、まるで子守歌のようにも感じました。