シンタロー

愛されるために、ここにいるのシンタローのレビュー・感想・評価

3.9
本国フランスでロングランヒットしたラブストーリー。離婚して一人暮らししているジャン・クロード。司法執行官という精神的にきつい仕事に疲れ、手伝ってくれている息子は植物オタクで性格が合わず、微妙な関係。施設入所している父はわがままで気難しく、面会の度に不平不満をぶつけられウンザリ。50歳を過ぎ、医者から運動不足を指摘され、事務所の向かいにあるタンゴ教室に通い始める。レッスンの帰り、フランソワーズという若い女性に声をかけられる。昔ジャン・クロードの母に子守されていたという彼女と、レッスンで踊るようになり、互いに惹かれ合うが、実はフランソワーズは結婚を控えていて…。
小難しい作品の多いフランス映画にしては、とてもわかりやすくシンプルなお話。自分の生き方に疑問を持ち、孤独を感じているときに出会う恋とタンゴ。自分も中年男なんで、いろいろ共感…タンゴを踊る男女の距離感にはドキドキ…自分は照れ臭くて無理だな。でも、観ていて元気もらえた。後味良くて、終わり方も素敵だったと思います。ジャン・クロード役のパトリック・シェネはやや老け過ぎだけど、人生に疲れたくたびれ感を見事に表現。父親とのやりとりが深かった。笑顔がチャーミングなアンヌ・コンシニはバイプレイヤーとしても人気で「ELLE」のユペールの親友役なんか印象的。中年男が守ってあげたくなるような、儚げな雰囲気をうまく体現してます。
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