らんらん

流離の岸のらんらんのレビュー・感想・評価

流離の岸(1956年製作の映画)
3.0
日活、モノクロ、文芸もの
新藤兼人監督作品
出演者
北原三枝、乙羽信子、三國連太郎
菅井一郎、金子信雄、殿山泰司、村瀬幸子、坪内美詠子、廣岡三栄子
明石淳子、二木てるみ、赤木蘭子、斎藤雄一、浜村純、深見泰三など

【内容】
まとめると女の弱さ、男次第で人生を左右されかねないことへの悲しさ虚しさ、みたいなのをテーマとした女性視点の文芸作品

・ストーリー
ヒロインの千穂(北原三枝)は卒業まであと一年の女子高生
千穂は幼少期から母親(乙羽信子)の男関係を見て育ったので(とは言っても仕方なく離婚&再婚しただけだけど)、どこか冷めた性格をしていました

そんな千穂は友人(明石淳子)の兄深瀬竜吉(三國連太郎)と出会いお互い好きになりあっという間に結婚まで決定するのだが、実は三國連太郎には秘密があって、、、

・ネタバレ
三國連太郎は妻子持ちの既婚者であった、現在別居1年とかで早く別れたいのだが奥さんが粘っているらしい
それを知った北原三枝は騙され裏切られていたことにショックを受ける
迎えに来た三國連太郎にほだされ一度はヨリを戻そうとするのだが、残される奥さん及び子供のことを思い北原三枝は別れを決意するのであった、、、

【感想】
んー昔の男女関係って感じがした(実際そうなんだけど、当時としても古い感じ)
戦前の松竹ドラマでこういうの見たことあるような気がする

現代の視点から見ればそんなに許せないか?そんなにショッキングか?って思っちゃうところもあるけど当時ならそんな感じになるのかなぁ

そもそも北原三枝の役自体ひねくれてるというか拗らせてるところがあってあまり共感出来ないんだよね

「許せない別れる!」からの「やっぱりヨリ戻す!」はまだあるかもだけど、ここからさらに「でもやっぱり無理!別れる」までいっちゃうと何なのこの女?って思っちゃう

お母さん(乙羽信子)がよく考えんさいって言ってたけどほんとそうだよ
勢いで行動しまくってコロコロと心変わりし過ぎ、どんだけ揺れてんのよ

「他人を不幸にするくらいなら自分が不幸になったほうがいい」
とかいう台詞もあったけど、それであの結末なのもどうなんだろう?
三國連太郎が奥さんとヨリ戻るとは思えないんだけど?結果みんな不幸になったんじゃないのかなぁ?
だったらせめて好き同士の2人が幸せになる道を選べばいいのに、とか思っちゃう
でもそう割り切れないところがリアルなのかもしれない
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