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もしも昨日が選べたらのkuuのレビュー・感想・評価

もしも昨日が選べたら(2006年製作の映画)
3.6
『もしも昨日が選べたら』
原題 Click.
製作年 2006年。上映時間 107分。
人生を早送りできる不思議なリモコンを手に入れた男が、時間の大切さや家族の愛について考えるファンタスティック・ドラマ。
リモコンを片手に自由自在に時間旅行を繰り広げる主人公を演じるのは『50回目のファースト・キス』のアダム・サンドラー。
その妻を『アンダーワールド』のケイト・ベッキンセールが演じる。
味わい深い人間ドラマだけでなく、特殊メイクを駆使した主演2人の老け顔にも注目。

仕事優先で家族を顧みない建築士のマイケル(アダム・サンドラー)は、スーパーの怪しげな店員モーティ(クリストファー・ウォーケン)から人生を操作できるリモコンを与えられる。
早速使い始めたマイケルはペットの吠え声を消音したり、妻ドナ(ケイト・ベッキンセール)との口論を早送りしたりと、面倒なことをすべて回避しようとする。。。

今作品には欠点がないとは云いがたいが、思ったより巧みな作品やった。
アダム・サンドラーが演じるマイケル・ニューマンは、家庭とキャリアちゅう相反する要求を同時に満たそうとすることで生じる悲哀を体験し、それが描かれている。
私生活を犠牲にしてプロとして(わずかではあるが)成功する善良なオヤジちゅう、よく知られたテーマである。
ニューマンが自宅のさまざまな電子部品や家電製品を操作するためのリモコンを1つだけ欲しいという願望から、ほとんどシームレスに発展している。
どのリモコンがどの家電製品に対応しているのかが分からず、テレビのチャンネルを変えたいのに電気をつけてしまうなど、いかに彼が自分の家の中で起きていることから離れているかを示している。
ここでふと、IoT家電・スマート家電を思った。
今作品が世にでた時代に多くの人が求めていたシームレスリモコンは、当時はまだ、SFの世界やったのが今や現実になりつつあるのは、この進歩スピードは怖い。
ただ、今作品のように本人や他者を行動をどうにかするほどのレベルじゃないが、仮想現実を踏まえたらそう遠くない未来には現実味を帯びてるのかと考えると。。。
余談ながら、IoT家電・スマート家電は、IoT(Internet of Things)インターネットに接続することでさまざまな機能を手に入れた家電で、スマホでいつでも誰でもインターネットに接続できるこの時代、その便利さは日々進化してる。
脇道が過ぎましたが、
アレコレと業を煮やしたニューマンは、深夜にユニバーサルリモコンを探しに出かけた。
ベッドや寝具を売る店で、彼は一番奥に物置に通じる扉を発見する。
そこで彼は白衣を着たモーティ(クリストファー・ウォーケン)と出会い、奇抜な髪型からある種の発明家か科学者であることを察する。
彼はマイケルが欲しがっていたリモコンを渡すが、それは家電製品を制御するための装置よりもはるかに、はるかに多くのものであることが判明した。
チャプターマーク、早送り、一時停止、さらには『スター・ウォーズシリーズ』のダース・ベイダーの声やったかな?のジェームズ・アール・ジョーンズによる解説トラックも含まれている。
基本的にはSF映画やけど、コメディタッチのタイムトラベルも含まれる今作品。
リモコンがオリジナリティを出している。
その前提は、映画製作者がこの先どうするのか、という好奇心をそそるには十分な可愛らしさやったが、当時としてはアイデアの斬新はあったやろけど、アイデアに特に興味が持てなかった。
例えば、カラーコントローラーで、ハルクのように自分をグリーンにしたり、イケてる?日焼けした肌にしたりと、ただ、今じゃスマホアプリで簡単には髪の色から肌の色まで自由自在に変えて楽しめる時代には色褪せて感じてしまった。
しかし、セクハラ上司のオリエンテーションで縦横比を変えたりしてたとこはツボに入ったが笑。
そのため、その時点では、今作品には何かが欠けていて、製作者はそれを知っていて、それを隠したいと思っているように感じた。
この先も同じような展開が続くのんちゃうかと不安にさせる。
しかし、こうした小さな欠点を乗り越えると、今作品は、キャリアと家族への義務のバランスをどうとるか、前者が後者を容易にするつもりが逆の結果を招いている場合、その斬新さにかけた問題に立ち戻ることができた。
最初の1時間が過ぎると、リモコンが彼の本当の問題に与える影響に行き着く。
リモコンには、彼のこれまでの使い方から機能の使い方を予測する機能があり、それが勝手に早送りを始め、物語が切実なものになっていく。
個人的には、ここが成功のポイントやったし、このような、ある状況の斬新さを、共感できる何かの文脈に乗せたSFファンタジーの話は、他にも何十本もあることを思い出した(例えば、ニコラス・ケイジ主演の『天使のくれた時間』とか)。んで、見終わってみたら、恥ずかしながら、涙が出そうなくらい感動してた。
今作品は、個人的にワーストリストやベストリストの上位に入るような映画ではないけど、個人的には気に入ったし楽しめた。
そして、ケイト・ベッキンセイルは終始ゴージャスやったし見てるだけでウットリ。
今作品は、冒頭、シチュエーション・コメディのギミックに過ぎないのではという不安もあったが、とても温かみのあるエンディングできれいに締めくくられるギミック満載の映画でした。

作中でブランドのKate Spadeの言及が2回あった。
Kate Spadeは、アダム・サンドラーの映画にも多く登場するデヴィッド・スペードの義理の妹やしムリくり話しにブチ込んだんんかなぁ。
あと、マイケルの回想シーンで湖畔にいる少女は、ケイト・ベッキンセイルの娘、リリー・モー・シーンやそうです。
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