つっちぃ

きまぐれのつっちぃのレビュー・感想・評価

きまぐれ(2023年製作の映画)
4.3
《きまぐれ》
"家族"という、とある組合のお話。。心地いいけど居心地悪い、しっくりくるしモヤモヤするよ。いつまでも続きはしないのは気づいてるけど終わるのは"まだもうちょっと先"だと信じてる。"家族"は呪いでもあり信仰でもあったりしますね。

親戚の結婚式に訪れた父母と姉妹。同じ位の子を持つ身からすれば4人が歩く後姿にこれまで歩んできた"年月"を感じざるを得ない。人と人が繋がる儀式に参加した家族がほぐれていく様子絡まりがほぐれてちょうどいい所に落ち着く距離感は嫌じゃない。ほんの"きまぐれ"はあるもの。

冒頭ちらほら家族が集まるところ、薔薇の壁をひとりづつ、通り行くところ、画面上の人物のサイズ感、向かい合う人、並ぶ人。フランスの小品映画や小津作品のよう。この家族の長編も観てみたくなる。。妹役の櫻井さん、瀬戸さんにそっくりでホントの姉妹に思えた不思議。

監督前作クレマチスの窓辺に繋がる旅行映画。起こる出来事や出会う人たちに特に変わった事は何にも無いけどそこにみえるのは単調な日々を動かす非日常の力。なんていっても皆んな非日常を"きっかけ"にしたいだけなのかもね。あー家族ってなんてめんどくさくて愛おしいのさ。。

クラファンリターンでは何度も観ていてスクリーンでは初鑑賞でしたが"全然別物"でした。。風の音や声の遠近、ちょっとした表情やしぐさ。。うーん映画らしさの詰まった宝箱のよう。。
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