あかぬ

π〈パイ〉 デジタルリマスターのあかぬのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

テクノ音楽と数字の羅列がうまくマッチしていて独特な世界観を創り出しており、監督の才能が全面に出た作品でした。
数学的な専門用語が入り乱れて終始よくわからず🤕?になっていましたが、大層なことをやっているようで実は何でもない話なので、難しいことはあまり考えずただ身を任せて観るのが正解なのかもしれません。
216桁の数字に取り憑かれた人間たちがそれぞれの私利私欲のために、ただ一人その答えを知る主人公を巡り争うのですが、最終的に宗教観まで絡んできて終盤の追い上げはまさにカオス。
"答え"を知ってしまった者はみな同じ景色を見るのか。それは人間の脳が持つキャパシティの限界値を超えてしまったからなのか、神がその答えに行き着けないように仕向けているのか、その真相は…結局最後までわからないという投げやりなオチ。

訳の分からん数字について考えすぎて気が狂っていくマックスを見ていると、こっちまでおかしくなりそうになるヒリヒリしたあの感じとか、モノクロでフィルムっぽいザラザラした感触の映像、時々差し込まれるゴープロで撮ったみたいな独特な撮影手法など雰囲気は申し分ない。デビュー作にして既にセンスが垣間見えるのは凄いが、とんでもないストーリー展開を期待していた分、尻すぼみになったラストに少しだけがっかりしてしまいあまり刺さらず。

何か行き詰まった時によく脳みそ洗いたいとかいう表現を聞きますけど実際に洗面所で脳みそバシャバシャ洗ってる場面を俯瞰視するとちょっと面白い。
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