第96回アカデミー賞のショートリストに選出された短編アニメーション。
9歳の少女が祖父母の家で休日を過ごす姿が、淡々と描かれていく。
語り口はゆったりしていて、アニメーションも絵本のように優しい。
祖父母の家での居心地の悪さは序盤から語られてはいるが、後半では作品の様相をひっくり返す衝撃の展開になっていく。
しかしそれもこの作品は多くを語らずに、じんわりと、恐ろしい真実を見せていく。
祖父母の家にある厚皮類の角というものを象徴として、恐ろしい事実を詩的なアニメーションに昇華している。
誰にどう話したらいいのかわからない、そんなトラウマの心情を真摯に表現していると思う。