千年女優

オーメン:ザ・ファーストの千年女優のレビュー・感想・評価

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
4.0
市民活動で異様な雰囲気漂う1971年のローマ。米国から訪れた見習い修道女で、隔離される少女カルリータを気にかけつつも奔放な同居人ルズの誘いで夜の街を知ったマーガレット。相次ぐ奇妙な出来事や妄想に苛まれていく彼女が、信仰離れ進む状況を変えようと悪魔の子を産もうとする教会の陰謀に巻き込まれる様を描いたホラー映画です。

『スーパーマン』のリチャード・ドナーが脚本家のデヴィッド・セルツァーと共に生み出してカルト的な人気を得た1976年公開作『オーメン』の前日譚をアルカシャ・スティーブンソン監督で描く2024年公開作品で、ヨハネ黙示録13章18節に記される数字「666」を持つ忌み子ダミアンが誕生する緊張感溢れる物語が好意的な評価を集めました。

前日譚で決められた結末へと至る物語ながら、それ故の緊迫感と秘められた「HOW」を巡る『ローズマリーの赤ちゃん』型サスペンスとを上手く両立しながら力強い推進力を維持します。登場する主要なキャラクターの全てがはまり役のキャストで演じられている上にそれを立たせる演出も良く、観客が抱く絶望的な予感を裏切らない一作です。
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