pherim

私は今も、密かに煙草を吸っているのpherimのレビュー・感想・評価

4.7
超傑作。

ハマム(公衆浴場)での半日の出来事のうちに、《ここで女が生きること》の苦しみと軋み、歓びのすべてが照射される。

パピチャと同じアルジェリア内戦下1995年を、女性スタッフのみで撮り切った本作の気骨に言葉失う。


『パピチャ 未来へのランウェイ』https://twitter.com/pherim/status/1320682389299867648
拙稿「身にまとう自由の奥行き、絹布の祈り。」https://www.kirishin.com/2020/10/28/45896/
『ある歌い女の思い出』https://twitter.com/pherim/status/1495143556910292993


イスラーム映画祭では、忘れ得ない一作に出逢い続けてきたけれど、今年もまずは『私は今も、密かに煙草を吸っている』がそうだった。
女だけの空間が、男たちの抑圧行動を外部へ締めだすアジール描写が本当に見事。ちなロケ場所はテッサロニキのオスマン朝期ハマム1444年造。
pherim

pherim