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カンダハールのmamのネタバレレビュー・内容・結末

カンダハール(2001年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

カナダに亡命しているジャーナリストのアフガン女性が、人生に絶望した妹が今世紀最後の日食の時に自殺するという手紙を受けとり、妹を救うべくイラン国境からカンダハールへ向かうという表向きはロードムービーの顔をした、世界から取り残されたアフガニスタンの悲惨な実情を映し出したドキュメンタリーのような物語。

上空から映し出される険しい山々に囲まれた山岳地帯のアフガニスタン。そして延々と続く荒涼とした砂漠地帯。

地雷で足を無くした人々。赤十字テントにむけてパラシュートに乗った義足が降ってくる。それを一目散に追いかける松葉杖の男たち。

地雷の上に仕掛けられた人形。それは罠だと教えられる子供たち。

子供たちの顔を見ても様々な人種がいることが伺える、多民族で構成されたアフガニスタン。

女房はハザラが2人、パシュトゥンが1人、ウズベクもいたから、タジクでコンプリートだという老男性(違う部族の女性でも良いの?!)

カンダハールまでの旅路は、第四夫人として紛れ込んだ家族と同行したバスが盗賊に襲われる → タリバン養成のための神学校(貧しさから食事にありつくため)を追い出された墓場にいた少年と共に砂漠を歩く → 井戸水でお腹をこわし診療所を開いているアメリカ出身の黒人男性に荷車で送って貰う → 地雷で手を失った赤十字テントで義足をくすねてきた男と結婚式のブルカの女性たちの列に紛れて目的地を目指す...とアテンドする人が次々と入れ替わり道中は一筋縄ではいかない。

検問でその男とも離れ離れになり、ブルカの女性たちの歩みも四方へと散り散りになってゆく。
夕陽に照らされた大地とともに、アフガニスタンは一体何処へ向かうのだろう...と思わずはいられないラストだった。

2023-261
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