ポレポレ

クラメルカガリのポレポレのレビュー・感想・評価

クラメルカガリ(2024年製作の映画)
4.5
(2024.04.19 ユーロスペース)
冒頭から和風スチームパンクとも言うべき独特の世界--“箱庭”に一気に惹き込まれた。世界観や用語がすぐには呑み込み難いが、狂言回しとして登場する絡繰人形のおかげで置いてきぼりを喰らわずに済んだ。

展開そのものはベタだが、“箱庭”の作画が圧倒的に素晴らしくて気にならない。音楽もいい。これがたった61分だなんて! 一年か半年をかけて、“箱庭”の始まりや日常--カガリ(佐倉綾音)とユウヤ(榊原優希)の“箱庭紡ぎ”暮らし、伊勢屋(大塚剛央)やシイナ(森なな子)の来歴etc.--を叮嚀に描いたものも観たい。「もう一度観たい」と「もっと観たい」の両方の欲を擽る作品。


(追記 2024.05.08)
2回目の鑑賞。個人的には、より深く作中世界へ没入できたのは『クラユカバ』だったが、アニメとして展開や舞台が解りやすく観やすかったのは本作。

老翁 朽縄がエキセントリックなおとぼけ爺さんにも、秘密を抱えながらも夢と理想がある発明家にも映る寺田農の演技がいい。飴屋(悠木碧)の悲鳴がややうるさかった。
ポレポレ

ポレポレ