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ハンテッド 狩られる夜のblackkazoomaのレビュー・感想・評価

ハンテッド 狩られる夜(2023年製作の映画)
3.7
[GODISNOWHERE]
[God is Now Here](神はここにいる)のか
[God is Nowhere](神はどこにもいない)のか?

あらすじや予告を見ると「よくあるソリッド・シチュエーション・サバイバル・スリラーかな」と予想してしまいますが、中盤辺りから主人公と犯人の関係が「取り返しのつかない状況にまで分断が深まってしまったアメリカ社会」を投影するかのような設定になっていて予想外に複雑な味わいの作品になっていました。

犯人である狙撃者は勿論悪人ではあるのですが、主人公の女性も利己的で道徳的に問題のある人物に描かれていて観る人によっては「さっさと撃ち●されちまえ!」と思うかもしれません。
完璧な人はいない。両者ともにそうなってしまったのには事情があるのでしょう。
そして両者とも「この世界に絶望を感じている」という共通点があるのです。

ラストで○○が朝霧の中、曲がりくねった道を彷徨うように歩く姿は「先の見えない世界」で道に迷ったこれからの世代のように見えて重い気持ちになるのでした~


◆雑記
・入場者特典でフライヤーもろた(ビジュアルデザインはコンビーフ太郎さん)70年代風スリラーな質感が素敵
・パンフは600円とお手頃価格
・もうひと捻り欲しかった
・アジャ作品の血はなんだか生々しいなぁ
・アリスが撃たれた腕の傷口を『ランボー』ばりに根性で塞ぐシーンはエグい位リアルでしたな

◇ネタバレな雑記↓













・フォードからガソリンが漏れてたから「こりゃ絶対ラストでド派手に爆発するぜ!」と思ってたけどそうでもなかった
・結局、狙撃者の正体は判明しなかったけど、「誰でもないし、誰でもある」ととらえるとなかなか怖いですな
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