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コンテイジョンのsueのレビュー・感想・評価

コンテイジョン(2011年製作の映画)
4.0
2011年11月に日本で公開されたこの映画は、正月映画までの繋ぎとしてひっそり上映されて、さほど話題にもならずにあっさり終わった。
同じ監督がこないだ作った「ローガン・ラッキー」と同じような扱い。

当時、たまたま時間が合ったから劇場で観たけど意外によかった、面白かったと思ったことを覚えてる。

あれから8年以上の時を経て、こんなに話題を集めることになろうとは。

公開当時はある種のSFとして観ていたが、新型コロナで緊急事態宣言ギリギリの今観ると切迫感が全然違う。
手すり、ドアノブ、インターホン、グラス、スマホが怖い。ホテルが用意したケータリングの食事に殺される人もいる。

根も葉もないデマがウィルス以上のスピードで拡散するのは現代を、そのせいで秩序が崩壊する様は未来を見ているようだ。

罰を受けて然るべき者が野放しになり、称賛されて然るべき者が死の床に横たわる皮肉。

ソダーバーグ監督は「トラフィック」の手法で複数のエピソードをシームレスに繋ぎ、ハリウッド映画にありがちな盛り上がりをうまく避け、淡々とリアルに語ることに成功している。

オールスターキャストの中でもマット・デイモンとケイト・ウィンスレットが人間味溢れる役柄を好演している。
あとグィネス・パルトロウにあの役割を振ったことで恐怖が倍増した。

CDCもWHOも辿り着けなかったパンデミックの発端が映画のラスト1分ほどで語られるが、その因果応報ぶりがまた怖い。
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