マインド亀

バッドランド・ハンターズのマインド亀のレビュー・感想・評価

バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)
3.0
マ・ドンソク来日記念!マブリーのコンクリートユートピア異世界転生もの!

●どうやら本作、原作がパク・ソジュン主演の『コンクリートユートピア』の派生作品らしいです。それで、なんと『コンクリートユートピア』のあのマンションがそのまま出て来るんですね。
で、本作が『コンクリートユートピア』の続編かといえば、そうじゃない。詳しくはよくわからないのですが、「もしもコンクリートユートピアの世界に、マ・ドンソクが出てきたら」、という、あくまでも繋がりのない派生作品のようなんです。「コンクリートユニバース」ってほんと?なんだそれ。

●で、『コンクリートユートピア』がディストピアにおいて人々がどうやってサバイブしながら権力にしがみついていくかという人間の心の奥底を描いたサスペンス・スリラーなのに対して、本作はマッドサイエンティストと、彼が生み出した超人兵士達とのバトルを描いた偏差値低めのアクション映画なんですね。

●で、私、『新感染』以来のマ・ドンソクファンなんですが、本作も相変わらずマブリーは、最もマブリーらしいキャラクターを演じています。マ・ドンソクって、だいたいの作品のキャラクターは全部一緒なんですよね。可愛くて心優しくて、とんでもなく強い。だいたいどんな状況に陥っても、メガトンパンチで全て解決できるので、うろたえることがない。そんなキャラクターがほぼマ・ドンソクのアイデンティティのようになってるんですね。なので正直、どの作品のキャラクターも名前が覚えられない。キャラの名前じゃなくて、「マ・ドンソク」としてキャラクターが形成されている。

●なので、どんな世界に存在しようとも、「犯罪都市」や「新感染」や「エターナルズ」や「神と共に」の、あのマ・ドンソクがその世界で戦っているだけのように感じるんですね。いつものようにアクションは大味。パンチ一発で、なんとかなる。
アクションはいろいろと凝っててケレン味もあるので悪くない。悪くないんだけど、なんせマ・ドンソクが強すぎて、強すぎるが故に感情面が落ち着きすぎてて、なんだかエモーションがアクションにのってきてない感じです。正直、途中で飽きてくるアクションなんですよね。悪くないんですけど、良くもないというような。

●あと、ストーリー面ですが、私が集中出来なかったからかもしれませんが、敵側のマッドサイエンティストが何をやりたかったかが全くわからないのと、連れ去った子どもたちをどうしたかったのかがわからなかったのと、ヒロインに施した注射と飲料水の関係がよくわからなかったのと、それを利用して何がしたかったのかわからなかったので、つまり全然意味がわからなかったです。なのでどうすればマッドサイエンティストは勝ちなのか、失敗なのか、あとマッドサイエンティストを取り巻く仲間たちの人間関係もわからん。
ちなみに、『コンクリートユートピア』を観てない人にも、あの地震は、ドラマとは関係なく偶発的に起こった地震だということはわかるのでしょうか?本作はちょっとリアリティラインが下がってるので、あの地震は何か理由があるのかと思ってしまう気もしたりしました。
結論から言うと、マブリーには申し訳ないですが、正直微妙な作品でした。キャラクターも、全員定型的でしたしね。残念。
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