どど丼

ドイ・ボーイ:路地裏の僕らのどど丼のレビュー・感想・評価

3.7
タイで売り専として働くミャンマー難民の青年が、客の男性から危険な仕事を持ちかけられる……という話。思いの外良かった。

粗筋からは分からないが、ミャンマーの内戦問題と、タイの難民問題・そしてもう一つの大きな社会課題(ネタバレに繋がるため伏せる)が根っこのテーマ。主人公や彼の客、客が追う別の男性に、主人公の彼女と、それぞれが国家や社会の抱える悪質な側面に踊らされる姿を描いていて多視点。特に時代設定を明確にコロナ禍としているため、より情勢の悪化が強調される。あまり社会派作品である事が記載されていないのはある種製作側の狙いなのかなと思う、大筋としてはサスペンスとしての娯楽性も高く、彩度や光を意識したショットや重厚な劇伴も作品性を高めてる。

もう少し長尺化して彼らの背景(特に主人公以外)を描いてくれるとなお良かったな〜。大きな作品じゃないし製作側の都合で短尺になった可能性もあるので、ディレクターズカット版なんか出てくれたら嬉しい(けど出なそう)。ただ短尺でサラッと観れるが故、社会派な部分を世界に知らせやすい作品だと思うので、そこは良い所でもある(自分も90分映画好きなので)。少しでも気になったネトフリユーザーの方は、ぜひ観てみて欲しい……!
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