真一

ファミリー・ディナーの真一のレビュー・感想・評価

ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)
3.0
 肉🥩を食べても、自然の恵みへの感謝と愛を忘れなければ、何の問題もないー。こうした「肉食」を巡る現代人の価値観を、思いもかけない形で揺さぶり不快にするのが、この異色のサイコホラー作品「ファミリー・ディナー」📽️です。

 素敵な料理🍴が並んでいるのに、なぜかとても不味そうに見える演出は、スペイン映画の「プラットホーム」を連想させます。また、主人公が訪問先の家庭で怪しげな風習を目にするくだりは、あの「ミッドサマー」に通じるものがあります。宗教系サイコホラー👿がお好きな方には、お勧めです。

 舞台は、欧州オーストリア🇦🇹。太りすぎに悩む思春期の女子シニー👧は、ダイエットしようと思い立ち、オーガニック料理🍳の専門家である叔母👩の家を訪れる。叔母から示されたダイエット計画は、なんと、4日後のイースター祭まで断食するという過酷な内容だった。

 空腹を耐えるシニーの前に並ぶ、豪華なウサギ料理🐇。その料理を、叔母の息子でシニーと同世代のフィリップ👦が、暗い顔をしながら食べる。そして、息子に「あなたを愛しているのよ」と目を細目ながら語りかける叔母👩。なぜ、フィリップ👦は悲痛な表情をしながら肉を食べるのか?叔母にとって「肉」🥩とは何か?不審な思いを抱くシニー👧は、やがて衝撃の真実を目撃するーというあらすじです。

 ぽっちゃりのシニー👧に対し、叔母一家の人々はいずれもスレンダー🧍‍♀️な体型。叔母たちが暴飲暴食を避け、必要な量の肉🥩だけを、感謝と愛の気持ちを持って摂取していることをうかがわせます。そうした叔母たち👥の生活習慣にリスペクトを感じるシニー👧と、耐え難い抑圧を覚えるフィリップ👦の衝突は、この作品における重要な伏線になっています。

 ストーリーは、やや難解。キリスト教の受難節✝️やイースター🥚の古い風習をヒントに話が展開していくので、取っつきにくさは感じます。また主人公のシニー👧は無口で社交ベタなのに、メンタルがめっちゃ強い(^-^; 感情移入しづらかったです。評価が分かれる作品だと思います。
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