murmur616

ファミリー・ディナーのmurmur616のネタバレレビュー・内容・結末

ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 燻んだ景色・不穏な音楽・バーン!と出てくる赤いタイトルの冒頭から、真っ当なホラーっぽくて実家の犬に顔を埋めているかのような安心感がありました。実際、最悪な結末に向けて厭な雰囲気を湛えたまま淡々と突き進む作風は好みでした。
 料理がどれも美味しそうでした。これ絶対フィリップだろうな・・・という終盤の肉までちょっと美味しそうで困りました。一方で兎の解体を綿密に描いていて感心しました。
 にわかに叔母さん達に食人疑惑が出てきたのに、普通に寝過ごすシミーが微笑ましいですね。親戚だし、さすがにそこまではせんだろ・・・と思ったのかな。
 大方の予想通り、敢えなくイースターの晩餐にされたフィリップが陰惨で良かったです。
 本が売れなくなったりフィリップのこと(病気の話は一部本当なのかも)やらで発狂した叔母さんの凶行だったのかな。叔父さんの心情としては、「息子を食べるとか意味分かんないけど、妻を愛しているので手伝お!フィリップには愛情ないから抵抗感もないしね!」って感じかな。酷いね。
 片田舎で起こった猟奇事件の一部始終を観たようで、厭な余韻の良いホラーでした。
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