ユウサク

晩春 4Kデジタル修復版のユウサクのレビュー・感想・評価

晩春 4Kデジタル修復版(1949年製作の映画)
1.3
結婚しない女性の話かーと途中まで期待してたのに「お父さんがかわいそう」でズッコケる。結局家父長制の中でごちゃごちゃする話かよ。戦中よく働いたと褒めながら「帯」だの「ちょっとぬるいね」だのと抜かしたり些細な会話でも絶対に相手の話を聞かず我を通したりと、時代なりの父親像が見てて気色悪い。この話をおっさんが書いてるのも含めて。あの京都の説教が良いシーンだと感じられる人がこんなにいることが恐ろしい。そんなに昔が好きならタイムスリップでもしてこい。そして帰ってくるな。別に当時好きになったことを責めてるんじゃない。それを何のアップデートもしないまま現代に持ち込むなと言ってる。

娘と友達の会話シーンだけ良かった。あんまり見たことない「溌溂」の月丘夢路。「ラージポンポン 七(しち)ヶ月」てすごい言い回しだな。ここ以外見る価値無し。

やっぱりこういう小津の作品群を「皮肉」として見るのは忖度し過ぎだと思う。権威主義的。ライカートの感じてたことが圧倒的に正しい。インタビュアーが「阿吽の呼吸として多くの日本人は受け入れている」とか言ってたけど勝手にあんたと一緒にするな。
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