東京国際映画祭学生応援団

ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフの東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

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イーサン・ホークとペドロ・パスカルというハリウッドの大物俳優2人を主演に迎え、スペインの巨匠アルモバドル監督がメガホンを撮った30分の短編です。
アメリカ西部の荒野を舞台として、保安官のジェイクがかつて関係のあったシルバと25年ぶりに再会を果たします。しかし、ジェイクは自身の息子の妻への殺人容疑で、シルバの息子を追っており...

西部劇の中に佇むイーサン・ホークとペドロ・パスカルがカッコ良すぎました...
自身のセクシャリティを口外できない時代のためか、2人の関係は劇中で一度も言語化されることはありません。だからこそ2人の熱い視線や葛藤の表情から、お互いへの愛を強烈に感じます。2人はそれぞれの息子に対する家族愛と、互いへの恋愛としての愛情を両立できないジレンマに揺れています。また25年前の2人は異性愛規範や西部的なマスキュリニティにおける社会的な体裁と、2人で牧場を持ち穏やかに暮らしていきたいという願望に葛藤していました。25年前の様子は少ししか描かれないものの、30分という短時間の中で繰り広げられる2人の対話と衝突の中に、膨大な時間が含意される精巧な作品でした。
ジェイクとシルバが愛し合いながら、誰からも邪魔されることなく牧場で穏やかに暮らしていける社会はいつになったら実現するのでしょうか...
シルバがジェイクを撃たなければならなかったのは、誰のせいなのでしょうか...
現代に向けたメッセージも強く感じました。

サンローランが製作を務めているからか、衣装の色が特に印象的で、インテリアなどの美術もとても素敵でした。2人が食べているパスタがとても美味しそうでした🍝

13期ゆずの