たむたむ

ありふれた教室のたむたむのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
3.9
「これは証明?それとも主張?」

本年度アカデミー賞・国際長編映画部門にノミネートされた、ドイツの新鋭イルケル・チャタク監督長編第4作目となるサスペンススリラー。
公開初日・朝一の回をレディースデイにて鑑賞♡

ある学校を舞台に、小さな事件が予想外の事態へ発展し校内の秩序が崩壊していく様を、正義感あふれる1人の新任教師カーラの目線を通して描く。

起きたてだったにも関わらず(起床1時間後・笑)めちゃくちゃ引き込まれた。。(o_o)

真相を知りたがる生徒たち。
カーラの行動を糾弾する同僚教職員たち。
学校の方針に異議を唱える保護者たち。
ジャーナリストを気取る学校新聞委員たち。

タイトル通り、とある学校のごく「ありふれた教室」で巻き起こる、ヒリヒリするような心理戦。

手掛かりは、カメラに映り込んだブラウスのみ。
たぶん、私がカーラの立場でも疑いますね。ただ、すぐ行動に移すかは疑問。ここが運命の分かれ道だったような気がする。。本作では、お金の盗難を題材にしていますが、虐めなどにも当て嵌まる問題提起じゃないかなと。

良くも悪くも過剰な作り込みがされておらず、子役ふくめキャストの自然体な演技と、リアルなストーリー運びは秀逸。その反面、映画的な演出に欠ける印象は否めず、学校や教師たちの対応についての是非や、盗難事件の真相や犯人についても、鑑賞者に解釈を委ねるタイプなので好みは分かれそう。

本来、投げっぱなし系は個人的に余り得意じゃないけど、これは物語の行方が気になり釘付け。ただ、もっと衝撃的なオチか、胸糞ラストでも良かったかなぁ。

1人で多くの生徒たちの面倒を見つつ、さらに同僚教師たちや親とのコミュニケーションも図らなければならない教師って、大変な職業ですねぇ。。
そら過呼吸にもなりますわ(´・_・`)

【余談】今回、初めてミニシアターの聖地とも言えるシネスイッチ銀座を利用しましたが、映画館の案内役がキャラクター化された『シネパラ』のアルフレードとトトだっだ事に感激しました♡
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