のこのこのこっち

南スーダンで生きる ~ある家族の物語~ののこのこのこっちのレビュー・感想・評価

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存在を知ったので難民映画祭に行ってみた。南スーダンは2011年に独立、南スーダンの父と言われる故ジョン・ガランの娘アクオルが母と妹を撮った作品。政情安定せずいつ自分たちが危険な目に遭うとも限らないデ・マビオル家は政治一家であり、母レベッカの言うところではこうした記録を撮影し発信するアクオルの行動も政治的であるそうだ。

妙にきれいな映像にしてみましたってところがあり、集中力が始めから微妙だった自分には、アフリカもきれいなところだなあってのと、報道映像などで小難しいこと言ってるのが続くので内容が入ってこないところがあった。また、カメラが家族であることもあってか母妹揃って仕事とプライベートのオンオフが当然のようにきっちりわかれているし、一般家庭のような住居なのも手伝いオンの姿がなかなか見えてこない。これはオスマン・サンコンみたいなものかな。しかし南スーダンの母と呼ばれる彼女の強さは見えてきて夫ジョン・ガラン以外の男性はみんな子どもに見えると発言していたりする。夫の写真の前で泣くシーンこそあれど、この母や妹は弱さを見せることがあるのか?と問いたくなったが、身の安全もだろうが、自身の進む道として不安を抱えてナレーションを添える姉の姿こそが、きっとそれと似たものなのだろう。

あと映像に触れたが、記録的な洪水でボル(そもそも多いらしく「洪水」って意味らしい)を訪ねるシーンがある。飢餓や感染症など二次災害も大きいらしいが、他国の災害が優先され国際報道はされていないそうだ。ここでもきれいに撮ろうとしてて被災地だろ?と思ったらちょっと萎えた。メッセージ性が強いのだからあるままを撮ったほうがよいと思った。