ノラネコの呑んで観るシネマ

ロボット・ドリームズのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)
4.6
東京国際映画祭。
擬人化された動物たちが住む、80年代NYが舞台。
孤独な犬の主人公は、ロボットを作り親友(というかほぼ恋人)に。
ところがある事情で、二人は一年間も離れ離れになってしまう。
「ブランカニエベス」のパブロ・ベルヘルの、初アニメーション作品。
これは過ぎ去って行く「今」を、いかにして素晴らしい過去にして行くか?という映画で、実際にNYに住んでいた、監督自身の記憶が反映されているそう。
アタリ・ポンのぼっちプレイを皮切りに、懐かしの80年代カルチャーが画面を埋め尽くす。
セリフは無しで、さまざまなシャレードを駆使し、巧みにキャラクターの感情を伝えてくる。
未来から自分の人生を振り返った時、幸せな時間は多い方がいい。
そのためには、今捨てなくてはならないものもある。
可愛らしい絵柄で展開するのは、人生の喜怒哀楽を詰め込んだ一年間の思い出のカレンダー。
子供も楽しめると思うが、大人にこそグッとくる。
サラ・バロンの原作グラフィックノベルは未読だが、読んでみたくなった。
来年正式公開されるそう。
ところで、出てくるキャラクターの名前が「dog」とか「duck」とか、基本的に種類名なのに、アライグマだけ「ラスカル」なのはやっぱオマージュ?