JohnConstantine

ダーク・ハーヴェストのJohnConstantineのネタバレレビュー・内容・結末

ダーク・ハーヴェスト(2023年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

作品自体がそれほど面白いのかというとやや微妙。

Amazonの予告編&あらすじで若干というか、本編に登場する“ソートゥース・ジャック”なるハロウィンの怪人の正体がほぼネタバレしてしまったのは私だけではないだろう。

トウモロコシ畑に囲まれた田舎町に続くハロウィンの奇祭をモチーフに、閉鎖的な村社会に対するアンチテーゼを込めたメタファー的な作品とでも言えるだろうか。

奇祭について、どのように始まり誰がどのように加担して続けられてきたか等の掘り下げが甘く、そこが非常に残念なところではある。

しかしながら雰囲気はたっぷりで、主人公リッチーのグループはリーゼントヘアに揃いのデニムジャケットのルードなスタイルが良い。
また要所要所でザ・スカイライナーズの“Since I don't have you”がフィーチャーされており、兄と兄の恋人との、リッチーとガールフレンドとの、リッチーと兄との、そして狭い田舎町に生きる人々の心中を反映してか、メロディが切なく胸に迫る。
私はアラフィフということもありガンズ&ローゼズのカヴァーからこの曲を知ったが、実に切ないメロディと歌詞で、本作の舞台装置として有効に機能していたように思う。

リッチーを演じた主演のケイシー・ライクスはリーゼントスタイルが実に似合っており、やや潤んだ瞳とほんの僅かに翳りのある眼差し、そして横顔が感じさせるナイーヴさが、この年頃の大人とも子供ともつかない微妙な立ち位置を見事に表現しており、非常に良いキャスティングだったと思う。
とにかく彼の存在感が目立った。
またリッチーの友人の臆病なバドを演じたアレハンドロ・アカラもそのキャラクターに反してルードなスタイルが周囲よりやや洒脱で、もう少しその姿を見たかったとも思う。


雰囲気はとても良い作品ながら、奇祭に関する掘り下げが甘いのが非常に惜しい、そんな映画でした。
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