世界大戦直後のスペイン。かつて聖なる子と崇め奉られた少女で、損害を改修した修道院に迎え入れられた新米シスターのナルシサ。案内された部屋でソコロの名を持つシスターが残した品々とハングマンの落書きに薄気味悪さを覚えた彼女が、次々に不可思議な現象に遭遇して院ぐるみで隠す大戦の傷に翻弄される様を描いたホラー映画です。
実話を元にした降霊ホラー『エクリプス』が世界的に評価されたスペイン人監督のパコ・プラザが、その前日譚として同作に登場した「死のシスター」誕生の由来を描く2023年公開の作品で、ホラー映画を対象とするシッチェス映画祭でオープニング上映を飾った後にNetflixで公開されると週間視聴数二位を獲得して上々の評価を獲得しました。
実話ベースだった前作に対してオリジナルの物語となるも「戦争の悲劇」を組み込んで奥行きを演出していて、例えるなら『ベネデッタ』と『死霊館のシスター』の融合をイメージさせます。とは言え流石に良いとこ取りとはいかず、いずれにせよ不足と思う部分は否めませんが、ローカルのジャンル映画に留まらない志を感じさせる一作です。
