第28回（2023）釜山国際映画祭ニューカレンツ部門、第24回（2023）東京フィルメックス・コンペティション部門選出
橋本愛、仲野太賀、木竜麻生の演技は、とても良い。一方で、実際に起きた事件を元にというわりに、社会的なテーマを扱っているとは感じない。物語中で、延々と「愛」という言葉で語られている内容が、抽象的な言葉であることで、曲解されたひとりよがりな「愛」だったり、ホストに洗脳されているだけだったりと、愛を表現する物語なのか、疑問が残ってしまった。おそらく、「理」で構成された物語ではないのではないか、と感じる。ただ、アート系かというと、そこまで概念的な作品でもない。そして、だれひとりとして、「愛」を語っていなかったのではないか、というのが、鑑賞後感となった。
2024年2月11日＠アップリンク京都
