千年女優

Saltburnの千年女優のレビュー・感想・評価

Saltburn(2023年製作の映画)
3.5
2006年。オックスフォードに通う男子学生で、階級社会の縮図にあって目立たない立場だったある日、貴族のフェリックス・カットンと知り合ったオリバー・クイック。翌年、実家の不幸を打ち明けたところ夏季休暇にカットン家へ招待された彼が、特権階級の風変わりな人々と親密になるもやがて悲劇に見舞われる様を描いたドラマ映画です。

女優に脚本、監督をこなし長編映画処女作『プロミシング・ヤング・ウーマン』で脚光を浴びたエメラルド・フェネルが手掛けたAmazon配給作品で、近年の活躍目覚ましい主演のバリー・コーガン始め多士済々な面々で描いた特権階級と欲望を巡る物語が批評家から称賛されてゴールデン・グローブら数多くの映画賞にノミネートされました。

古今東西で定番の「日陰の少年が眩しい友人と出会う」序盤は煌びやかな青春劇を思わせますが、フェネル作品とあって一筋縄ではいかず日本ならイヤミスと呼びそうなドロドロの人間関係を展開します。些か作劇の意地悪さを感じる所はありますが、力ある役者たちのアンサンブルと「覗き見」を意識した画角比らの演出で引き込む一作です。
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