東野圭吾原作の映画を全て見ているわけではないが、「容疑者Xの献身」は、その中でも気に入っている。福山雅治が演じたガリレオシリーズの中でもこの作品がベストだと思う。
今や東野圭吾は、世界中で翻訳されている有名作家で、この作品はインドの他、韓国や中国でもリメイクされているらしい。監督は「女神は二度微笑む」などで知られるスジョイ・ゴーシュだけに期待値は高まる。
殺人事件に巻き込まれたシングルマザーを、天才的頭脳を持つ数学教師の隣人が彼女に救いの手を差し伸べる。しかし、その一方では執拗に事件を調べる刑事が……。
話の骨格は、オリジナルの通りだが、探偵ガリレオは登場せず、代わりにイケメンの刑事が事件の解決に奮闘する。
この原作がインドでも受けているのは、やはり例の〝幾何と見せかけた代数のトリック〟が、純粋にミステリーとして面白いからだろう。
更に数学者が自分の外見にコンプレックスを抱いている原作の描写は、日本版よりも忠実に再現されている。
概ね原作と日本版オリジナルに忠実なのだが、刑事が決して天才的な頭脳の持ち主ではないことと、ラストをガラリと変えている部分があり驚かされた。オリジナルを超えてはいないが、これはこれで十分楽しむことができた😊
