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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のtorumanのレビュー・感想・評価

4.4
1992年のサンダンス映画祭で大きな話題を呼び、日本でもインディペンデント作品としては異例の鳴物入りで公開。
その後、レンタルで火がつき、一大ムーブメントになりました。

私は劇場で見逃し、LDを購入して初めてタランティーノ体験をしました。

今回は30年振りの劇場公開でしたが、新宿ピカデリーではソールドアウト!
アップリンク吉祥寺で、ギリギリ席を押さえて鑑賞しました。
今回はデジタルリマスター版の上映です。

冒頭のMr.ブラウンのマドンナの「ライクアバージン」のウンチク話〜チップの支払い。
そしてメインタイトルへ…
「おぉぉカッコいい」
何度も観ているのに、ジョージ・ベイカー・セレクション「リトル・グリーン・バッグ」にのって登場するレザボア・ドッグスの面々に痺れます。
なんて魅力的な面構えなんでしょう。
ここまでの10分で虜です。

初めての鑑賞時はスコセッシの後継者的な感覚で観たのですがなんか違う💦
タランティーノの映画文法にびっくりでした。

・延々と続く無駄話とウンチク
・敢えて見せ場になるシーンをすっ飛ばした編集
・中ヒット曲の揃ったサントラとシーンとの奇跡のような親和性
・大好きな作品へのあっけらかんとしたオマージュ

それぞれの化学反応で全編"クール"に仕上がったタランティーノワールド。
デビュー当時から最新作まで、全くぶれない作風が素晴らしいです。
彼の映画愛が真っ直ぐな証拠でしょう。

映画マニアのビデオレンタル店員だったタランティーノを一躍時の人に変えたこの作品は、ハーヴェイ・カイテルに出会い、彼が脚本に惚れてプロデュースでサポートしたお陰でしょう。
映画の神様が何処かで見ていてくれて、カイテルを遣わしたのかもしれませんね。

タランティーノの引退作になる10作目も期待しかありません。
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