このレビューはネタバレを含みます
【 鋼鉄の絆 】
演技、展開、映像、音楽、人物。どれをとっても高次元であり、それが組み合わさった奇跡のような作品がこの『アイアンクロー』である。凄まじい衝撃を受けた。念のため本作は、実話である。
ザック・エフロンの圧倒的な存在感に舌を巻いた。整った容姿に研ぎ澄まされた肉体美。それでいて温和な性格が加味されていて、虜になるまでに時間はかからなかった。私もザック・エフロンを見習い、屈強な肉体を作り上げ、これからはパンツ一丁で睡眠を取ろうと思った。念のため、半分本気・半分冗談である。
家族と兄弟間の絆には本当に心が和むし、憧れる。だからこそ次々と訪れる不幸の数々に同情せざるを得ないのもまた事実。真っ暗闇の劇場で観ていたというのもあるのか、先述の悲劇や不幸など、人物たちの心情と深く重なり合う感覚を覚えた。
最愛の家族とはほとんど離れ離れになってしまったが、その絆や愛情は永久不滅であり、錆びない鋼鉄の如く、いつになっても廃れることはない。固く、時には冷たく、そして情熱的に。熱を加えた鋼鉄の熱さをみくびってはいけない。
芸術的で、奥深い作品であった。すっかり私は、『アイアンクロー』に深い爪痕を残されてしまった。もちろん、いい意味でである。