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隣人X 疑惑の彼女のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)
4.0
惑星 X で紛争が勃発。Xは人間の姿に擬態する能力や人間を決して傷つけない固有性を持つため、アメリカ政府は助けを求めてきた難民を惑星難民Xとして受け入れることに。
そして日本もアメリカに追従するように受け入れを決定するが、誰もが日常に紛れ込んだ謎の存在 X に不安を感じ、隣りにいるかもしれないXを見つけ出そうと躍起になっていた。
週刊東都の編集長(嶋田久作)は記者たちに、調査会社から持ち込まれた情報を元にXであると疑わしい者に近づき、日本にいるXの正体を掴むよう指示。
契約解除の瀬戸際にある記者の笹(林遣都)は、大手企業をわずか数年で退職しコンビニと宝くじ売り場でバイトしている柏木良子(上野樹里)と、居酒屋とコンビニで働きながら日本語学校に通う台湾からの留学生レンことリン・イレン(ファン・ペイチャ)を追うことになる。
笹は柏木良子が働く宝くじ売り場に出向き、自身を雑誌のラーメン特集の記者だと名乗り、しどろもどろになりながら言葉を重ねて、彼女との食事の約束を取り付ける。
当初良子は笹を警戒していたが、彼のまっすぐな姿勢に少しずつ打ち解けていった。
一方レンはまだ日本語をうまく習得できず馴染めずにいた。そんな彼女をサポートするのは同僚の拓真(野村周平)。バンドマンの拓真は音楽で夢を叶えるためにいくつものバイトを掛け持ちしていた。
レンは生きていくために必死に働く拓真に好意を抱き、自分にも夢があることを打ち明け、二人は少しずつ距離を縮めていく。
笹と良子も逢瀬を重ね、いつしか笹は本当に彼女を愛し始め、良子は笹のことを受け入れるように。
しかし笹は次から次にもたらされるXに関する真偽不明な情報に振り回されながら取材を続けており、良子への思いと嘘をついて近づいた罪悪感に引き裂かれる。
成果があがらないことにしびれを切らした編集長は、一週間以内にXの証拠を出すよう笹に迫る。
「おもいで写眞」の熊澤尚人監督が、パリュスあや子の第14回小説現代長編新人賞受賞作を映画化したミステリー・ロマンス。

地球に避難して来たX星人を、いたずらに恐れてわずかに変わっているというだけで正体を暴きたてるマスコミや日本の状況を風刺したSF陰謀劇、笹がX星人と疑う良子への猜疑心と良子への想いの間で苦悩する笹の葛藤とラブストーリーが絶妙に組み合わさっているし、林遣都やミステリアスな上野樹里の演技もナチュラルで、ユニークなSF風刺サスペンスロマンススリラー映画
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