HicK

NANAのHicKのレビュー・感想・評価

NANA(2005年製作の映画)
3.4
《犬派でも猫派でも》

【歌、好き】
原作未見。数年ぶりに鑑賞。当時、「♪Glamorous Sky」めっちゃ聞いてたなぁ。そして、伊藤由奈を紹介してくれた今作にはかなり感謝。これ以降もリリースするたびに彼女の曲を聞いてた。歌声が好き。今作のクライマックスでの歌唱もドラマチックで良かった。

【主役2人】
劇中でも言及された「犬と猫」の関係性。タイプの違う女性たちの友情と恋愛感。個性が違っても感情で繋がれる。傷を癒やし合う姿から温かさが伝わってきた。「下妻物語」みたいな要素が好き(こちらも未読だが映画は大好き)。やっぱりこういうのは少年少女関わらず鉄板の漫画設定。桜木&流川、日向&影山。的な?。…ちょっと例えが違うな。傷、癒しあってないもんな。

【演技】
宮崎あおいはこのころから彼女らしい演技。ただ、そのほかのメインキャストたちの演技が物足りない。素人のかき集めでは無いキャスティングなのに不思議なほど全員が無機質。演技経験の少ない中島美嘉ももちろんだが、ただ彼女の場合、セリフなしの表情は良かったように思う。なによりもルックスや声質、存在感そのものが原作から飛び出したような説得力があり、これはキャスティングの功。

【ナレーション】
ナレーションが多すぎるかな…。漫画の吹き出しをそのまま脚本に当てたかのような心情説明。たしかに過去を話さないナナの状況を観客に伝えるのは難しいと思うが、せめてハチの日記調のナレーションは最低限に留めて欲しかった。どこか、本を読んでくれるアプリにも近しいものが…。か、朝の連続ドラマの副音声のような感じ。

【総括】
今回は原作初期のストーリーだそうで、そのせいか劇的な展開は無いが、タイプの違う主人公たちが絆を深めてく姿が良かった。女性を中心に犬派・猫派、多くのファンを獲得したのも納得。それも中島美嘉の存在が大きい。

ただ本音で言えば、中島美嘉、宮崎あおい、伊藤由奈は固定で、かつ当時にタイムスリップして、もう一回作り直したものを見たい。
HicK

HicK