ねーね

ある閉ざされた雪の山荘でのねーねのレビュー・感想・評価

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
2.9
東野圭吾作品が好きだし、クローズドサークル系の映画が好みなので、本作の設定にはかなり惹かれた。
でも、2時間の映画におさめるのは無理があったように思う。

序盤は何が起こるのかワクワクしながら、途中でどんどん人がいなくなりはじめてからは、ハラハラしながら謎解きをして、何がどうなってるのか必死に考えて観続けた。
でも、ラストの種明かしでちょっと拍子抜けしたというか、あまりに背景の説明が短絡的で、どの登場人物の感情も動機も薄っぺらいものに感じてしまった。
そもそもとざされてない山荘だし、雪もふってないし、あくまで全部オーディションのための設定なので、いつでも外に出れてしまうし警察に電話だってできてしまう状況下、あまり緊迫感がないというのも映像的には減点ポイントだった。
登場人物の深堀りができてないから、色々と「なんでこの人はこんなことしてるの?そうはならなくない?」と思いながら観るのは厳しかった。
ただ観ただけだと、温子のキャラがあまりにも胸糞だし、雅美が全員を許せるとは到底思えないし、そもそも久我の存在意義もよくわからなかったし。
原作はそのあたりも細かく書かれているらしいので、読んだうえで脳内補完が必要なタイプの作品だったかも。

コナンみたいな無理やりな独白形式で最後ネタばらしするのは、小説でも映画でもあまり美しくないと思う。
観客自身が観て感じて考えて導き出すからこそアハ体験になるのであって、口頭で全部説明すればいいってものでもない。
せっかくおもしろい題材なのだから、もう少し頑張ってほしかったな。

重岡君はかわいかったです。
ねーね

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