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Saw X(原題)のhorahukiのレビュー・感想・評価

Saw X(原題)(2023年製作の映画)
3.6
『ソウ』シリーズ最新作!

まさかジグソウを応援する日が来るなんて!!個人的には『2』以降で一番好き!真っ当そうな理屈を隠れ蓑にして、超絶恣意的で独善的な“ゲーム”を参加者に強いるカルト教祖の姿勢なんて結局こんなもんだよねっていうことを再確認するための作品。

今回はジグソウが主役。過去キャラのアマンダやホフマン(少しだけ)も登場。どうやら時系列は『1』と『2』の間らしい。だからジグソウご存命だけどガンで余命数ヶ月→ガン患者の会で一緒だった男が寛解したので、そいつから聞いた秘密の治療法を実践しにメキシコに旅立つよって流れ。

今回も数々の拷問器具が登場するのだけど、過去作と比べて突出した何かがあるかと言われると特に無く…。しかもジグソウの感情によって拷問の難易度に大きな違いがあるように思えて少し萎えたのと、クライマックス付近のあからさまな軟化、肝心なところのあっさり具合とか何とも微妙な感じが漂ってた。もっと粉々にしてもらって良かったのに!ただ、骨髄液濾しとか、目ん玉吸引とか大腸投げ輪とか脳みそ取り出しとかグロ的に映える箇所は結構あった。

ジグソウさん、自分で作ったルールと自身の深層部分との間で葛藤している印象。そして恣意的解釈をもってすれば“ルールの範疇だ”と言える境界線ギリギリ部分を“本当はアウトなのでは?”の自覚のもとに思想の純粋さを自身の感情優位でもって濁らせている。あのジグソウさんがそういう人間臭さと崇高さの間で揺れるのが多分見どころだし、恐らくこれまでもそうであっただろうことがジグソウ視点により可視化されたって感じなんでしょう。まあでも利害ある時点でもうね…って感じがした。

何か貶してるみたいになっちゃったけど、面白かったです👍👍
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