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DOGMAN ドッグマンのyamabbeyのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.8
ドッグマンである主人公ダグの壮絶な人生を、主に精神科医との対話で振り返るという形をとっている。

母親が逃げ出さざるを得ない父親の暴力に支配された家庭で、多くの犬と一緒にケージで生活させられたあげくに銃で撃たれ下半身に障害を負ったダグの少年時代。

施設で年上の女性に文学や演劇を教えてもらい、実家では得られなかったアートによる喜びを知り、初恋の感情を知り、希望に溢れかけたところで失恋で失意の底に落とされるダグの少年〜青年時代。

大人として準公共セクターで働き始め心の安寧を得かけたところで予算を理由に職場を奪われ、別の仕事を探す中で、ドラッグクイーンとして歌の仕事につきつつドッグマンとして窃盗や暴力の世界に犬達と共に生きるダグの壮年期/現在。

他者や社会からの裏切りや神の不条理を実感することで、ダグが犬を最も信頼し、犬達もダグを理解し寄り添う光景が痛々しくも美しい。
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