がんびーの

ジョー・ブラックをよろしくのがんびーののレビュー・感想・評価

4.1
ー 去り難いか
ー ああ
ー それが「生」だよ
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生きる、死ぬ、恋をする、愛する、別れる。哲学的なテーマを斬新でコミカルな脚本と豪華俳優陣たちの圧倒的な演技力で描く長編ドラマ。ブラット・ピットとアンソニー・ホプキンスという名俳優が揃ってこその作品でした。三時間と長い尺、またゆったりとした展開であったにもかかわらず、観る側を飽きさせなかったのは彼らの存在感があったからでしょう。二人とも汚れ役や悪役の印象が少なからずありますが、本作品ではそんなの微塵も感じさせない気品あふれる演技で終始圧倒されました。
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*ネタバレ
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刹那的な恋の物語として受け取られがちですが、僕はこのストーリーに確かな希望と溢れる幸せを感じました。彼らがあの後どのような人生を送ったのかを想像するだけでニヤケが止まりません。死神(ブラピ)は役割を果たすために(暇つぶしっぽいけど)人間界にやってきたわけですが、必ずしも、死神だけが人間(ホプキンス)に生のありがたさや普遍的な死の在り方を説いたわけではないように感じました。休暇を利用して人間界にやってきた死神さんも手探りな様子でしたね、恐らく人間と人間との間に生まれる不思議な力、いわば「愛」という物に触れたことがなかったからでしょう。ジョーがホプキンスに死への扉の鍵を渡したと同時に、ジョーもホプキンスから生への扉の鍵をもらったのでしょう。
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1934年の映画『明日なき抱擁』のリメイク版です。人間界に興味を抱いた死神は、人間の青年の姿を借りて現れる。ジョー・ブラックと名乗ることになった死神は、人間の女性と恋に落ちてしまい…。第19回ゴールデンラズベリー賞最低リメイク及び続編賞にノミネートされた。
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ぜひぜひぜひぜひ
がんびーの

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