原題 Le Nouveau Jouet
直訳するならば、「新しいおもちゃ」
【ストーリー】
主人公はサミュ(Jamel Debbouze)という、パリ郊外の団地で暮らす男。もうすぐ父親になるというのに、定職に就かず、市場で物を売って生活しているが、それすら警察に没収される始末。
仕方なくデパートの夜間警備員になるが、つまらないサミュは、マネキンや物で遊んで過ごす。
そんなある夜、デパートにやってきたのは、大富豪であるエティエンヌ一族の子息アレクサンドル。父フィリップやお付きを従え、誕生日プレゼントを買いにデパートにやってきたのだ。そしてなんと、誕生日プレゼントにサミュを欲しいと言い出す。
お金に目が眩みわがまま放題のアレクサンドルに買われることになったサミュ、果たしてどうなるのかー。
【感想】
コメディで112分は長いような気がしたが、見始めたらおもしろかった!
破天荒だが人間味があるサミュにより、ロボットのようなアレクサンドルが子どもに変化していく様が印象的。
また、お金持ちだが感動のない無機質なエティエンヌ家の暮らしに対し、貧しいが仲間や家族に囲まれて生き生きと暮らすサミュとの比較もよかった。
飽きない展開で、ラストも好き。
人生で大切なことは何か?そんなメッセージが詰まった作品。加えて、「お金持ちより、たとえ貧乏でも愛がある方がよい」という単純構造ではなく、それぞれが与えられた立場に感謝し役割をこなすこと、同じ社会の中で協働していくという包括的な視点があったように感じられた。