御大リドリー・スコット渾身のの最新作。
とにかく金のかかった戦場シーンの凄まじさは86歳とは思えない力技とビジュアルでこれだけでも観る価値がある。
どこから観てもリドリーのコントラストを活かした美麗で迫力のある映像に見惚れることは間違いない。
ただこれまでのフィルモグラフィーからもこの手の戦記物を作ると人間ドラマをはしょりがちで説明も無く何やってんのかわからん。
2時間半でも結構長いがナポレオンという人物を描くには全然足りない。
4時間版があるらしいがそれかドラマにでもしないと到底無理。
英雄、悪魔というコピーだが終始ジョゼフィーヌへの未練たらたらの弱さと肝心な所ではマヌケっぽく描かれていて戦場と私生活のギャップが酷い。
彼の戦いで失った兵士は何百万人とも言われ国に与えた損害は恐ろしくむしろそちらに焦点を当てた作りになっている。
ホアキンの演技は強さというかだらしなさにフォーカスを当てた方が大半で上手いんだが見ていてジョーカー路線の弱さを感じた。
ストーリーより映像主義のリドリーなんでファンにはたまんないけど一本の映画として観たら賛否は分かれそう。
ただもう高齢の御大の作品がコンスタントに観れて今後もワクワクする企画目白押しなんでまだまだパワフルに映画撮って欲しい！
一応オスカーにはノミネートされるかな？
