大岸弦

ほかげの大岸弦のレビュー・感想・評価

ほかげ(2023年製作の映画)
5.0
ほかげ
神戸市内にある映画館「シネ・リーブル神戸」にて鑑賞 2023年12月6日
パンフレット入手
「ほかげ」とは何か?パンフレットから引用します。
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「火と、その揺れに合わせて姿を変える影。
その影の中に生きる人々を見つめ、耳をすませます。

終戦と銘うって準備撮影をすすめた『ほかげ』

世界の動きが怪しくなってきた今、どうしても作らずにはおられなかった。
祈りの映画になります。」
塚本晋也
(ほかげパンフレット12ページ目より)

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「「闇市」を描きたいというのが映画監督の思い

終戦後、残暑厳しい時か 女は暑い暑いと言っていた
電気、ガスなどインフラが復旧していないのでしょう。

女は半焼けになった小さな居酒屋で一人暮らし。体を売ったりしてその日暮らしをしていた。
空襲で家族を失った子は、闇市で果物などを盗んで暮らしていたが、女の居酒屋で入りびたりするようになりなる。
若い兵士が客として居酒屋へ行くが、入りびたりするようになる。三人はまるで家族のような状態になる。
若い兵士はおかしい状態となり去ってしまい、ふたりはお互い親密になっていくが、こどもは闇市にいる男と旅に出てしまう。
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こどもはいろいろと経験をし、女のもとに戻ってくるのだが、拳銃を所持していたことがわかり、女はこどもから拳銃を取り上げ、缶のような容器にいれて保管する
また旅に出てはこどもが戻ってくる。
女はこどもを「坊や」と呼ぶようになる
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そんなある日、拳銃は子供からやさしそうな男に渡ってしまう。
男は拳銃を復讐のために使うことになった。強い恨み怨念の思いであったのだろう。
兵士の名前を叫び、銃を一発ずつ放つ。最後のトドメの一発は放たず、殺さない状態にしておく
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こどもは女の居酒屋に戻るが、感染症なのか会えないことに。女は坊や、坊やと優しくもかなしく語りかける。
こどもはもう会えないことを確信。別れの時となった 女は坊や、坊やと・・・

闇市にこどもの姿、皿洗いをやっているが怒られてしまう。理解されたようで、子供はわずかな収入を得ている。
そのあとこどもは、闇市の中へとすすんでいき、姿が見えなくなる。
映画は終了・・・このレビュー書いてたら涙でてきた・・・

女優の趣里 迫真の演技力に感激します。

坊や、坊や・・・
大岸弦

大岸弦