Mavis

6月0日 アイヒマンが処刑された日のMavisのレビュー・感想・評価

3.7
【「僕が歴史に触れ、歴史が僕に触れた」】

少年ダヴィッドは父親に連れられ工場で働くことになる。そこで死刑となったユダヤ人虐殺に加担したアドルフ・アイヒマンの焼却炉を作ることになった話。

世界史好きを自称してて、アドルフ・アイヒマンを知らなかった。
世界史では歴史的に重要で世間を動かした人物や出来事を中心に学ぶ。当たり前だがそこにはそれが日常として生きている人がいる。今作は群衆劇スタイルだったから、それを改めて考えた。日常が歴史となる。この感覚が私が世界史好きな由縁かな。

「僕が歴史に触れ、歴史が僕に触れた」と言うダヴィッドのセリフが好き。時代や環境は大いに関係があるだろうが、日々生きる中で歴史を感じることはあまりない。私はダヴィッドの様に歴史に触れたことがない。しかし、この感覚をいつか味わいたい…。

余談
解説付きの試写会で鑑賞した。日本では火葬が一般的だが、イスラム圏内では土葬が一般的で、日本における焼身とは意味が宗教的に全く異なることや、様々な言語が劇中で出てくることなど解説していただき、映画をより楽しめた。
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