二瓶ちゃん

闇を横切れの二瓶ちゃんのレビュー・感想・評価

闇を横切れ(1959年製作の映画)
4.2
気になって、DVDを買っていたので鑑賞。

映 大映株式会社製作。

【ハイボールは一気に。】

すごく勢いのいい映画で一気に見てしまった。
事件の発生から、新聞記者の活躍。

某監督の新聞記者よりも新聞記者していた印象。西武新聞の社風のなんと心地よいことか。理想の新聞社である。時代も違うから、悪がわかりやすいのが今作かもしれない。

閉鎖的な町には、富の独占者がいて、そいつが街を操っている。そうした巨悪の一端がその事件に関わっていた。

流石増村。めっちゃ見やすい。ある一定の緊張感の中、主人公が直感で真実を当てすぎなのは流石フィクションだと感じたが、ジリジリと答えに辿り着くまでが描かれている。

いや、事件の解決がこの映画の終焉ではない。ある一つの町の生まれ変わりだ。理想のマスコミここにあり。

ちょっとしたドンデン返しがあって、急な展開に頭を取られたが、説明を入れてくれる親切設計。

局長と石塚の関係良き。

そして何より死んだストリッパーの叶順子が美しい。エンタメ映画的にストリップシーンも挿入されているが、それも良い。叶が真実を告げるシーンのカットも良い。

何よりどうでもいいバーのシーンとかでの快活とした会話が良い。

個人的には、巨悪ゆえなのか、その全容がわからぬままに終わった感覚、あれ?結局叶順子って無事だったっけ?みたいなのはマイナスポイントではあるが、何より物語のテンポが良い、若い新聞記者の女や広瀬一派に対する尖り具合が良い、ということでこの評価。

局長の鼻歌に哀愁。

ハンカチやタバコなど、小道具の使い方の妙。