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PARIS(パリ)のmadokaaaのレビュー・感想・評価

PARIS(パリ)(2008年製作の映画)
3.5
難病を患うピエールの楽しみは、部屋のベランダからパリの街を見下ろし、行き交う人々の人生を想像すること。

一人の青年の視点を通じ パリの日常を描くことで、人生の価値を見出だしていく過程にハッとさせられます。

メラニー・ロランの美しさが果てしない。
ジュリエット・ビノシュはいくつになってもチャーミングだから素敵。

ー これがパリ。
誰もが不満だらけで、
文句を言うのが好き。
みんな幸運に気づいていない。
歩いて、恋して、口論して、遅刻して、
…なんという幸せ
気軽にパリで生きられるなんて ー

この台詞は、ラストシーンでピエールが呟くもの。
この映画の全て。

パリの街。
あらゆることに苦悩するパリ人達。

人生なんて捉え方一つで淀んで見えたり、煌めいて見えたりするもの。

パリで暮らそうがどこで生きようが、毎日はこの群青劇のように淡々と過ぎていく。

映画『PARIS』は、ありふれた毎日をずっとぐっと愛おしく感じさせてくれる。

ああ何か美味しい物でも食べに行きたいな〜なんて、心から思った。
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