ウォシ

貴公子のウォシのレビュー・感想・評価

貴公子(2023年製作の映画)
4.2
「生き別れた父に会わせてやる」と韓国に連れて来られたボクサー。
途中謎の男に付き纏われ、何やかんやあって命を狙われる話。

最初のシーンで心掴まれました!
何やら物騒な話をしてるチンピラの後ろでしれっと殺ってるこのスマートさ。

非道な事をニヤニヤと笑いながら殺る甘いルックスの男…という女性人気の高い漫画キャラみたいなこの男が話をグイグイ引っ張る。
果たしてこの男は殺しに来た悪者なのか?
助けに来た味方なのか?
割と早い段階で読めてくるが、これが韓国映画だと思うと実はそれすらも裏があるのか?と勘繰って見てしまうので最後までスリリングでした。

アクションは久々に流血増し増しスタイルのものが見れたので満足。
スタイリッシュに戦ってるように見えて、周りのものを手当たり次第ぶん投げまくったりとかなり必死なのですごく鬼気迫るものになっている。

ただこの男がなぜそこまでしてボクサーに付き纏ったのかの真意が最後に明かされるが、これがちょっと都合良すぎな気もする。
随所随所にセリフで伏線は貼ってたけどいまいち切実さが伝わらなかった。

邦題の「貴公子」はものすごく皮肉が効いていて良かったです。
最初この付き纏う男の事を指してるのかと思ってたが実はそうではなく、金持ち一族の血筋によって狂わされた子供たちによる醜悪な争いを意味する。
韓国映画らしい陰惨さを交えたエンターテイメントでかなり充実してました。
ウォシ

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