千年女優

赤と白とロイヤルブルーの千年女優のレビュー・感想・評価

赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)
3.5
米国初の女性大統領エレン・クレモントの息子で、父からヒスパック系の血を受け継ぐアレックス。英国王子フィリップの結婚披露宴に出席した際にその弟ヘンリーと最悪の出逢いを遂げた彼が、外交のための関係修復を経て惹かれ合い、その秘めたる恋愛関係がやがて民主党から出馬した母の再選に影響していく様を描いた恋愛コメディです。

ヤングアダルト小説のいちジャンルで若年層の恋愛を成人向けに描くニューアダルトを得意とする女性作家ケイシー・マクイストンのベストセラーをアマゾンスタジオが映画化した作品で、ラテン系で初のトニー賞最優秀戯曲賞を受賞したマシュー・ロペスの映画監督デビューも話題になって配信公開後に多くの視聴と好意的意見を集めました。

米国大統領と英国王の子息のボーイズラブを描くコント的な設定ですが、政治風刺と配信会社制作らしい多様性の尊重を盛り込んで奥行きを演出します。とは言えその描写は表層的で展開も予定調和ですが、第一印象が最悪のところから始まる定番のラブコメを丁寧にやり切って、視聴者を期待するハートウォーミングな結末へと誘う一作です。
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