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怪物の木こりのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

怪物の木こり(2023年製作の映画)
4.3
絵本『怪物の木こり』の怪物の仮面を被った何者かが、斧で頭を割って人の脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生。
その捜査線上に犯人が唯一殺し損ねた男、弁護士・二宮彰(亀梨和也)の名が浮上する。
だが二宮は、目的のためには殺人すらいとわない冷血非情なサイコパスだった。
警察が総力を挙げて捜査を進めるなか、二宮は犯人への逆襲を狙う。
そんななか、捜査の為なら手段を選ばない捜査本部で孤立しながらも連続殺人事件を追う警視庁のサイコパス・プロファイラー戸城嵐子(菜々緒)、二宮の婚約者・荷見映美(吉岡里帆)、科学の進歩の為と称して人体実験を繰り返す二宮の協力者であるサイコパス脳外科医・杉谷九朗(染谷将太)、過去の殺人事件の容疑者・剣持武士(中村獅童)など、様々な人物の思惑が複雑に絡み合いながら、捜査は混迷を極めてゆく……。
第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した倉井眉介による同名小説を原作に、三池崇史監督が映画化。
大手弁護士事務所乗っ取りの為に事務所の所長の娘の映美と結婚し所長を自殺に見せかけて殺害し邪魔する者は躊躇いなく始末するサイコパス弁護士の二宮と「脳チップ」の手術を受けた者を殺害し脳味噌を奪う連続殺人鬼「脳泥棒」の「悪」対「悪」のバトルの中で、連続児童誘拐事件「当麻事件」と殺人鬼「脳泥棒」と二宮の過去の関係が次第に明らかになるのがスピーディーで、サイコパス脳外科医を演じる染谷将太や頭脳明晰なプロファイラーを演じる菜々緒の演技やキャラクターが魅力的だけど、なんといっても冷酷なサイコパスから少しずつ人間性が戻る変化や二面性を丁寧に演じる亀梨和也の演技力に惹きつけられる異色なサイコサスペンスで、哀しい事件の真相と作られたサイコパスの哀しみが切ないクライマックスも良く異色のサイコサスペンス映画。
「誰も自分からは逃げられないんです」
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