取り立てて爽快なシリーズではないのだが、作品が醸し出す空気感、落ち着きは唯一無二でとても好き。
これまでは鉄道、船と来て、ほとんど地域性を感じなかったが、今回はベネチアっぽさもいろいろ織り込まれて良かった。結局は屋敷の中で起こる話ではあるものの。
本作はシリーズの他の作品と比べて、やや相関関係も複雑で良いのだが、同じぐらい年齢の女性だとやや識別が難しいのが難点。もう少し外見は強めに個性をつけて欲しいのだが。これまでのシリーズもその傾向はあったが、相関関係が単純だったのでぼーっと見てられたが、今回は少し振り落とされそうになった。
ミッシェルヨー、もはやシリーズ恒例なのだろう、ビックゲスト。濃い目の演技とカメラワークで、しっかり存在感を残していった。
ツッコミを入れたくなる真相が一部あるのはご愛嬌。そうはならんやろ的なところがあった。まあ、空気感を楽しむ作品なのでね。
これまで断片的出ているポワロの過去などが語られることはあるのだろうか、楽しみ。