頭の上の赤い林檎

ボーン・スプレマシーの頭の上の赤い林檎のレビュー・感想・評価

ボーン・スプレマシー(2004年製作の映画)
5.0
 2作目も文句なしの神作。全てが流れるような美しさの中で展開されるストーリー。
 マッドデイモンの一つ一つの所作に何一つ無駄が無い。一見何してんだこいつ…と思っても数秒後にその答え合わせがなされる。元同僚の自宅に押し入り、尋問。警察を呼ばれ逃げだす。迷うことなく落ち着き払い慣れた手つきで何かのホースを抜き、新聞紙をトースターに突っ込むマッドデイモン演じるジェイソンボーン。慌てることなく裏口から車を奪い走り出した。直後も抜けの殻の家に突入する警察。ドカン。大爆発。抜いていたホースはガスの栓で、トースターイン新聞紙は導火線だったのだ。

 こんなシーンがずっと続く。

 記憶をなくし、潜在的に人間離れした伏兵力を飄々とこなすジェイソンがあまりにも美しすぎる。洗練された動きとはこのことを言うのだろうな…

 ストーリー展開にしても先の読めない、重厚感あるサスペンスとしてかなり完成度が高い。結末も非常に良かった。遂に自身の正体の核心に迫り始めたジェイソンと、センスあるやり取り。最後までかけるところのない傑作であった。

 尺も約110分とやや短いにもかかわらず、濃縮された深さがある。

 イコライザーに匹敵する超人無双モノ。本当に大好きです。